研究課題/領域番号 |
10740290
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
植草 秀裕 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60242260)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | X線結晶構造解析 / スチレン / 迅速X線回折測定 / 結晶化技術 / 分子運動 / 結晶化 / X線構造解析 / 迅速測定 |
研究概要 |
C6程度の分子量を持つ単純な低分子化合物については、室温で液体であるためこれまで結晶構造解析による研究が行われてこなかった。一方でこのような低分子については逆に非常に多彩な手段によって理論計算、分光学的測定がなされており、分子や結晶の3次元構造の決定については多大な興味が持たれている。そこで、本研究では2次元検出器を用いた新しい迅速X線回折計と窒素吹き付け型低温装置を組み合わせることにより、有機物理学の分野で興味が持たれている液体化合物について結晶化を行い結晶構造の解析を目的とした。 昨年度は、分子内に剛体部分と自由度を持つ部分とを合わせもつ化合物スチレンの結晶化を行うことに初めて成功し、液体化合物結晶化の条件を検討するとともに、X線結晶構造解析を行い精密な三次元分子構造を行うことができた。スチレン分子は高分子材料として使われる基本的な分子であり、その分子構造はこれまで多数の理論計算によって検討されてきたが、今回初めて結晶状態の分子構造が決定できたため、今年度は構造の比較を行った。理論計算との顕著な分子構造の違いはビニル基のねじれ角にあり、結晶中のパッキングによる分子の変形について知見を得ることができた。また、融点直下から-180度までのいくつかの温度で結晶構造解析を行ったところ、結晶中におけるビニル基の回転運動が分子の乱れ構造として現れていることを見いだした。このような結晶中の分子の運動をX線構造解析から検討した研究例はこれまであまり例がないものである。 本研究による成果は(1)液体有機物の単結晶作成法について技術開発を行った、(2)基本的な分子であるスチレンの結晶構造解析に成功した、(3)スチレンの結晶中での運動を明らかにした、とまとめられる。
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