研究課題/領域番号 |
10740314
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
叶 深 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40250419)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 和周波発生(SFG) / 構造・配向 / 自己組織化単分子層(SAM) / 水分子 / 水素結合 / 秩序性 / 表面・界面 / 固液界面 / 水素終端化Si(111) / 多光子吸収 / 鎖長依存性 |
研究概要 |
振動分光測定は電極反応における反応生成物や中間体などの識別に重要な手段である。しかしながら、従来の振動分光測定は表面選択性をもっていなかった。本研究で用いる二次非線形光学の手法の一つである和周波発生法(Sum Frequency Generation,SFG)は、高い界面選択性と高感度に加え、固液界面における電子移動や構造変化のダイナミックスを解明することが可能とされている。 平成10年から二年間にわたって、奨励研究(A)のご支援により、SFG分光システムを構築し、その場SFG測定を展開してきた。初年度において、SFG測定の第一歩として、固気界面を主な研究目標とし、原子レベルで水素終端化されたSi(111)表面のSi-H伸縮振動の観察に成功した。特に光照射下でSi-Hの安定性について調べ、1064nmに比べると、可視光の波長が532nmの場合は、Si-H種がより速く減衰することがわかった。 平成11年度では、目標の固液界面のPFG測定の実現を目指し研究してきた結果、単分子レベルで固液界面の分子構造の観察に成功した。まず、自己組織化単分子層(SAM)で修飾された石英を試料として用い、電解質溶液中でSAMや界面水分子の構造について調べた。バルクにある水分子と比べると、界面における水分子は、より秩序的に配列することをSFG測定から明らかにした。アミノ基で終端化されたSAMの場合では、SFGスペクトルの強度は溶液のpHによって大きく影響され、特に酸性溶液中では強いSFGスペクトルが得られた。これはSAM末端のアミノがプロトン化され、界面に電気二重層の電場が形成されたため、SFG信号が増強されたことを意味する。さらに、石英表面に金の薄膜を蒸着し、その裏面から金/溶液界面へ光を入射させ、金/溶液界面のSFG測定に成功した。金表面にフェロセニルウンデカンチオールSAMを形成し、電極電位を制御しながら、固液界面におけるフェロセン部位の電子移動が起こる場合、SAM構造と界面水分子の構造を追跡し、非常に興味あるデータが得られた。これから、さらに高感度かつ超高速で界面における吸着分子の構造変化や電子移動のダイナミックスの研究の展開して行きたいと思う。
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