研究課題/領域番号 |
10740316
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小松 徳太郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (50280938)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | モット絶縁体 / 分子性導体 / フィリング制御 / 動的フィリング制御 / 遷移金属錯体 / 光応答性 |
研究概要 |
κ-(BEDT-TTF)_4(TEA)[Fe^<III>(CN)_6]・3H_2Oについて、光照射によるフィリング制御の可能性を調べた。この物質は常圧下では半導体的な電気伝導挙動を示す。Feは低スピン状態にあり、Fe^<II>が含まれていない場合、BEDT-TTF2分子当たり1つのホールがあるモット絶縁体になっていると考えられる。[Fe^<III>(CN)_6]^<3->のT_<2g>軌道はCN^-の強い配位子場により低いエネルギー準位に押し下げられており、近紫外光照射によって配位子π軌道→T_<2g>軌道の電荷移動を誘起すると、容易に還元される。以上の背景から、本物質に光照射を行い、モット絶縁体への動的フィリング制御を試みた。12Kにおける光照射の結果、Fe^<III>由来のESRシグナル強度の減少が見られた。これは、電荷移動により非磁性の[Fe^<II>(CN)_6]^<4->が生じたためと考えられる。また、この結果から、Feのスピン転移にともなって電荷移動が起こる可能性が示唆されるため、スピンクロスオーバー錯体[Fe(NH_2trz)_3]X_2のスピン転移挙動を調べた。また、光誘起スピン転移を示すルテニウム錯体とBEDT-TTFから、新たなκ型塩を得た。電気伝導挙動は半導体的であった。
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