研究課題/領域番号 |
10740326
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
瀧上 隆智 九州大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40271100)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 吸着膜相転移 / 炭化フッ素アルコール / 混和性 / 界面張力 / BAM / GIXD / 2次元秩序化 / 油 / 水界面 / 自己組織化膜 / ブリュースター角顕微鏡 / 界面の熱力学 / 凝縮膜 |
研究概要 |
本申請研究においては、水/空気あるいは油/水界面における吸着膜相転移と吸着膜での分子の2次元秩序化構造を巨視的・微視的両観点から調べることを目的とし研究を遂行した。これにより本年度は主として以下に示す内容の成果を得た。 1 水/空気表面での炭化フッ素系アルコール(FC10OH、FC12OH)単分子膜の気体膜(あるいは膨張膜)-凝縮膜相転移をブリュースター角顕微鏡(BAM)により直接観察を行い、更に凝縮膜状態における分子の配向・配列状態を決定するために表面のX線回折(GIXD)測定を行った。BAM観察においては相転移に伴い炭化フッ素系アルコールの非円形の凝縮膜ドメインが観察され、さらにGIXD測定からは凝縮膜の形成と共に炭化フッ素系アルコール分子は表面に対してほぼ垂直に配向し、ヘキサゴナル状の極めて密なパッキング状態にあることが分った。これは表面圧の上昇と共に分子が立ち上る炭化水素系アルコールの結果とは大きく異なっている。 2 炭化フッ素系アルコール混合物(FC10OH-FC12OH)のヘキサン/水界面吸着膜相転移と混和性を界面張力測定と結果の解析により調べた。中間の組成において気体膜、膨張膜、凝縮膜が共存する吸着膜三重点の存在が明らかとなり、気体膜および膨張膜においては両アルコールは理想的に混和するものの、分子が密に配列している凝縮膜状態では理想混合から正のずれを示し、同種分子間に働く相互作用の違いが混和性に大きな影響を与えることが示唆された。 今後は、混合膜のBAMおよびGIXD観察を進め、吸着膜における理想混合と非理想混合(正・負のずれ)の場合における秩序化構造の違いを微視的および巨視的な観点から解明することを目指す予定である。
|