研究課題/領域番号 |
10740359
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松村 秀一 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (30273535)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ムーアモンキー / ニホンザル / マカク属 / 空間分布 / 血縁 / 優劣 / 進化生態学 / シミュレーション |
研究概要 |
前年度にひきつづき、屋久島西部林道地域に生息するG群の野外観察をおこなう予定であった。ところが、1999年春に調査対象群が消滅するという事態が発生したため、野外調査を継続することが不可能となった。そこで前年度におこなった屋久島での野外調査で得られた資料およびこれまでに蓄積したインドネシア・スラウェシ島に生息するムーアモンキーの野外調査資料を基にして、コンピュータ・シミュレーション用の行動モデル開発に取り組んだ。その際の補助資料として、京都市嵐山地区に生息するニホンザルと霊長類研究所に飼育されるニホンザルのビデオ記録をデジタルビデオカメラによって記録した。携帯型GPS装置を用いた個体の位置記録も試みた。撮影した映像はデジタルビデオデッキによって再生するとともに、コンピュータに取り込んで解析した。検討した項目は、個体間の接近行動のパターンおよびその際に見られる微妙な表情・音声表出や動作である。 前年度に作成した基本モデルを発展させ、個体の空間分布に関するコンピュータシミュレーションをおこなった。プログラム言語はMicrosoft Visual Basicを用いた。コンピュータ上に「仮想環境」を作りその中で各個体を行動させ、5分間隔のスキャンニング法により近接個体を記録した。(1)「血縁個体に対しては近距離の近接を許容するが非血縁個体に対しては許容しない」という単純な行動規則に則ってふるまうだけで、高次のレベルの空間分布パターンが形成される可能性が示唆された。(2)さらに、「血縁個体に対する寛容性の高さ」自体をアプリオリに仮定せず、寛容性自体が個体間の相互作用によって生まれてくるモデルを検討した。 さらに、こうしたシミュレーション研究の意義をまとめた総説を著した。
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