研究課題/領域番号 |
10740366
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 奈良女子大学 (1999) 東京大学 (1998) |
研究代表者 |
酒井 敦 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (30235098)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | タバコ(Nicotiana tabacum) / BY-2 / 原色素体 / 葉緑体 / 転写 / アミロプラスト / タゲチトキシン / RNAポリメラーゼ |
研究概要 |
本研究は、単離色素体核を用いたin vitro転写系を活用し、特にRNAポリメラーゼの多様性と役割分担に注目しつつ、植物細胞の増殖・分化過程(特に光合成機能獲得過程)において色素体の転写機能がどのような機構により統合的に制御されているか解明することを目的とする。色素体では、少なくとも2種類(大腸菌型とT7ファージ型)のRNAポリメラーゼが働いていることが明らかになっており、大腸菌型は転写阻害剤tagetitoxinに対し感受性、T7ファージ型はtagetitoxin非感受性と推測される。対数増殖期のタバコ培養細胞BY-2、根冠型細胞への分化を誘導したBY-2、タバコ植物体の成熟葉から、それぞれ原色素体核、アミロプラスト核、葉緑体核を単離し、それら単離色素体核を用いたin vitro転写反応を行い、tagetitoxinの阻害効果を比較することにより、これら3タイプの色素体におけるtagetitoxin感受性/非感受性RNAポリメラーゼの相対的な活性の比較を行った。その結果、非光合成型色素体(原色素体およびアミロプラスト)の転写装置はtagetitoxinに対する感受性が低く(阻害率20〜50%)、光合成型色素体(葉緑体)の転写装置は感受性が高い(阻害率95〜98%)ことが判明した。本研究の結果は、非光合成型色素体における色素体遺伝子の転写にはT7ファージ型が、光合成型色素体における転写には大腸菌型が主力となっていることを示唆する。
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