研究課題/領域番号 |
10740374
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
岡本 龍史 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (50285095)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | プロテアーゼ / 小胞体 / 液胞 / プロセシング / KDEL配列 / パパインファミリー / 発芽種子 / cDNA / 細胞内輸送 / 種子発芽 |
研究概要 |
システイン・プロテアーゼ(SH-EP)のKDEL配列を含むC末端プロペプチドを切断すると推定される小胞体プロセシング酵素(VmCP)の活性測定法を確立したのち、ケツルアズキ発芽子葉より調整したミクロソーム膜画分から陰イオン交換クロマトグラフィーおよびゲルろ過によりERPEを精製し、その性質を調べた。VmCPの分子質量は32kDaであり、その活性はE-64により阻害された。VmCP cDNAを発芽子葉のcDNAライブラリーから単離しその一次構造を決定したところ、VmCPはパパインファミリーのプロテアーゼであることが明らかになった。次に、VmCPを大腸菌内で発現させ、そのリコンビナントタンパク質を抗原として、抗VmCP抗体を調整した。ショ糖密度勾配法による細胞内分画の結果、VmCPは小胞体のマーカータンパク質であるBiPと同じ画分に活性をもつ成熟型酵素として存在することが示され、さらに、免疫組織化学的染色法によりVmCPの細胞内局在性を観察したところ、VmCPは小胞体と液胞の両細胞内小器官に局在していた。また、cDNAより推定されるVmCPのアミノ酸配列には膜貫通領域は見られなかったが、子葉細胞の細胞内分画によりこのプロテアーゼが膜結合性の酵素であることが示された。さらに昆虫培養細胞でVmCPを発現させたところ、昆虫細胞内においてもその酵素は膜に結合していたことから、VmCPの膜への結合はケツルアズキ子葉細胞中のみでおこる現象ではなく、VmCPタンパク質自体がもつ性質によるものであることが示唆された。これらのことからVmCPは小胞体および液胞膜上に局在し、両細胞内小器官で活性をもつプロテアーゼであることが推定された。
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