研究課題/領域番号 |
10740391
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・代謝
|
研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
横須賀 誠 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (90280776)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 摂食行動 / 生殖行動 / 性ステロイドホルモン / ニューロベプチドY / NPY Y_1受容体 / 乳頭前核 / フェロモン / プロジェステロン / 一酸化窒素合成酵素 / レプチン / NPY |
研究概要 |
平成10年度の研究により、ラット脳において、摂食促進ペプチドであるニューロペプチドY(NPY)と摂食抑制ペプチドであるレプチンが、視床下部室傍核の大型細胞核(mPVN)において相互作用、あるいは、共に視床下部背内側核(DMN)の神経活動を上昇させることで摂食量を調節している可能性を報告した。これを受けて平成11年度は、この作用が脳内に複数のサブタイプが存在しているNPY受容体のうち、どのタイプの受容体を介して発現されている現象なのか検討した。摂食行動と関係が深いとされているY_1受容体に注目し、この受容体に対する競合拮抗剤を投与してNPYの作用を一部抑制した。これらの動物にNPYを投与し、単位時間当たりの摂食量の変化と脳内神経活動の上昇部位をc-Fosの免疫組織化学染色によって検討した。また、本研究の立案当初、食欲調節物質と性ステロイドホルモンの相互作用部位として想定した乳頭前核腹側核(PMv)の生理機能解明研究の一環として、複数の系統の雌マウスのフェロモンを雄マウスに暴露させ、雄マウス脳のPMvにおける神経活動変化をc-Fosの免疫組織化学染色によって比較検討した。 その結果、(1)平成10年度に明らかにしたmPVNにおけるNPYとレプチンの相互作用による摂食量の変化は、複数存在するNPY受容体のうちY_1受容体を介した現象であることが示唆された。一方、(2)雄マウスのPMvは、副嗅球と同様、鋤鼻器のフェロモン受容によってその神経活動が有意に上昇していることが判明した。このことは、フェロモンによる化学情報の受容に端を発する神経活動の制御に、アンドロゲンが直接的に関わっていることを示している。 今後は、食欲調節機構として嗅覚にも着目して、食欲調節機構に対する性ステロイドホルモンの相互作用機構をさらに解明していく考えである。
|