研究課題/領域番号 |
10740393
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
黒沢 高秀 福島大学, 教育学部, 助教授 (80292449)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | タイワンヒトツバハギ / トウダイグサ科 / ヒトツバハギ属 / コミカンソウ亜科 / 果実形態 / 熱帯低木 / 雌雄同株 / さく果 / しょう果 / 鳥散布 / 散布体の変異 |
研究概要 |
1999年8月23〜29日、および9月24日〜10月2日に台湾台東周辺で、11月20〜29日に南西諸島で調査を行った。現地で行った計測および採集して持ち帰った資料の分析の結果、タイワンヒトツバハギに関して以下のことがわかった。 1.直径4mm以上の果実の種子は15/30℃変温下で明条件、暗条件ともに高率で発芽したのに対し、直径4mm未満の果実の種子はほとんど発芽しなかった。 2.8月下旬にさく果とされている状態、すなわち直径3〜4mmで緑白色の果実に印を付けたものは、9月下旬には直径7〜10mmで白色となり、しょう果とされている状態となった。 3.シュート内で花芽と花を取り去ったり、少数の果実を残して摘果を行った場合でも、2と同様な結果が得られた。 これまでタイワンヒトツバハギの果実にはさく果としょう果の2型があると一貫して記載されてきた。しかし、1-3により、タイワンヒトツバハギの成熟した果実はしょう果であり、これまでさく果とされていたものは未成熟の果実であると考えられる。本研究でタイワンヒトツバハギの果実に対する記載が誤認に基づくことが示唆された。 調査したタイワンヒトツバハギ個体はいずれも雌花と雄花をつけることが観察された。タイワンヒトツバハギはこれまで雌雄異株とされてきたが、ヒトツバハギ属でインドシナ産のF.jullieniiに次いて2種目の雌雄同株であることが示唆された。 さらに、野外調査の際に与那国島で未知のコミカンソウ属の低木を発見した。この植物は、台湾のPhyllanthus oligospermusに似るが雄蕊の数等が異なる。そのため新種として発表の準備をしている。日本国内で新たな木本が発見されるのは極めて異例である。また、標本調査の際に日本未報告のコミカンソウ属の草本P.urinaria ssp.nudicarpusと考えられる先島諸島産の植物を見出した。
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