研究課題/領域番号 |
10740403
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類学(含生理人類学)
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研究機関 | 東京大学 (1999) 東北大学 (1998) |
研究代表者 |
近藤 修 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (40244347)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | デデリエ洞窟 / ネアンデルタール / 人類進化 / 古人骨 / 幼児骨格 |
研究概要 |
1997年にデデリエ洞窟から発見された人骨は、成人小臼歯2本とおよそ1体分の小児骨格であった。これらの資料に加え、今年度(1998年)の調査において同じ小児の骨格と成人遊離歯、青年あるいは成人と思われる大腿骨骨幹部が発見され、研究資料として加えることができた。 平成10年度に、これらの資料のクリーニング、保存処理、復元をおこない、写真撮影、レントゲン撮影、レプリカ作成を行った。平成11年度には大腿骨の保存処理をおこなうと同時に小児骨格(デデリエ2号人骨)について主な計測値による評価を行った。以上より以下のような知見を得た。 1成人小臼歯は歯冠の大きさが小さく、ネアンデルタールの変異の下限であるが、歯根が長い点は現代人とは異なりネアンデルタール的である。 2小児骨格の保存状態は比較的良好であり、とくに頭蓋は全体の復元に成功した。 乳歯は前歯部が大きく、乳臼歯はタウロドンティズムを示す。 乳歯列の歯冠計測値は他のネアンデルタールと共通した傾向を示すが、後期旧石器時代人にも同様の傾向を示す個体がある。 脳頭蓋は丸く、最大幅をとる位置が低い。後頭部に横走する隆起とイニオン上窩が存在する。 四肢骨は全体的に華奢であるが、大腿骨、脛骨は間接部が大きく、前後に弯曲する。 大腿骨、腓骨の長さより、他のネアンデルタール人と同様に下腿の長さが短い傾向が見られる。
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