研究課題/領域番号 |
10750028
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
多久島 裕一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (10272585)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
|
キーワード | 光ファイバ / 超短パルス / ファラデー回転子 / 偏波状態 / スーパーコンティニューム / 光通信 / パルス圧縮 / 非線形光学 / 光パルス圧縮 / 光リリトン / 偏波制御 / ファラデー効果 / 光ファイバ増幅器 |
研究概要 |
光ファイバを用いた非線形パルス圧縮における偏波変動を安定化させ、光パルス圧縮デバイスとして確立させることを目的に研究を行った。ファラデー回転子ミラーを用いて光ファイバ往復型構成とることにより偏波状態を安定化させるが、往復の過程で同じ伝搬条件を逆に体験するためソリトン断熱圧縮のような可逆性を持つ圧縮手法は適用できないないため、分散値と符号の異なるファイバを組み合わせてパルス圧縮を行い圧縮過程の可逆性を崩すような構成が必要となる。本研究では、この分散設計に主眼をおき、検討を進めてきた。 昨年度までに、光ファイバ往復型構成に適合するパルス圧縮手法として、正常分散ファイバ中の非線形光学効果によって線形チャープを蓄積した後、異常分散ファイバによってパルスを圧縮する方式を提案し、理論検討と予備実験を行ってきた。これらによれば、この方法は、群速度分散の波長分散(つまり3次分散)がゼロに近ければ入射パルス形状の依存性があまりない理想的なパルス圧縮能力があることが明らかとなっていた。 本年度は、昨年度までの蓄積を元に、具体的なパルス圧縮を行いフェムト秒光源の試作を行った。主たる成果としては、非常に高い繰り返し周波数(>10GHz)で、200フェムト秒程度のパルスを発生させることに成功したことである。また、理論面でも、3次分散がある場合でも特解が存在することを発見し、超高速伝送へ応用可能であることが判明した。 以上、ファラデー回転子を用いた光ファイバ型パルス圧縮デバイスの構成の提案を行い、設計方法を提示した。また、具体的なデバイスを作成しフェムト秒光源を作成することにより、本研究の有効性をデモンストレーションするとともに、光通信等への応用の可能性を示した。
|