研究課題/領域番号 |
10750033
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
小野 浩司 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10283029)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 液晶 / 高分子 / 光導電性 / ホログラム / フォトリフラクティブ / 光機能性 / 高分子液晶 / 光記録 / 光情報処理 |
研究概要 |
液晶に適当な光導電性増感剤を添加することによって、光空間電界の発生と液晶分子の周期的な再配列によって「分子再配列型フォトリフラクティブ効果」と呼ばれるメカニズムによってホログラム形成が可能なことが知られていた。従来用いられていた低分子液晶では解像度が低く、高密度用途には不向きであったが、昨年度の我々の検討によって、高分子と組み合わせて複合化することにより、解像度が飛躍的に向上し、Bragg型のホログラム形成が可能なことが明らかになっている。我々は、本研究の研究目的に添い、さらに昨年度の結果も踏まえた上で、主に実験的手法によって検討した結果、以下に示す結果を得た。 (1)ホログラム形成速度は、材料の粘性に強く依存し、高分子の分子量を下げ、低粘性化することで高速化が達成できた。応答速度に液晶分子の再配列速度が大きく関与していることが示唆された。 (2)高分子に、光導電性に必要な機能を化学的に付与した高分子材料での効果が実証された。 (3)上記の高機能化高分子を用いることで、記録感度が飛躍的に向上し、高性能なホログラム記録特性が観察された。 (4)基礎的な物性として、光空間電界強度を測定し、その値が無機系に比べて非常に小さいことが判明した。材料の液晶性が特性向上に大きな寄与をしていることが示唆された。 これらの結果は、近年注目されている有機フォトリフラクティブ材料の中でも卓越したものであり注目に値する。また、応答特性の決定因子、光空間電界強度などに関する基本的な知見が得られたことは、今後の特性改善、応用実証の研究にとって有益であると考えられる。
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