研究課題/領域番号 |
10750045
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高田 滋 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60271011)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 拡散すべり流 / 拡散ほふく流 / 混合気体 / 輸送係数 / 微小系 / 気体瀾滑 / 低圧気体 / ボルツマン方程式 / 拡散係数 / 希薄気体 |
研究概要 |
本研究は、微小系における混合気体の振舞いを理解する足掛かりを得ることを目的に行われた。微小系では従来の連続体仮定に基づく流体力学は適用できないため、気体論によるアプローチが採られた。得られた成果は以下のとおりである。 1.微小系における流れの特性(場の変動量が小さい)を考慮に入れて、気体論の基礎方程式であるボルツマン方程式の代わりにその線形化方程式を解析の基礎とした。線形化方程式を扱うことにより、まず、気体の輸送係数(粘性係数、熱伝導係数、拡散係数、熱拡散係数)の精密なデータベースを作成した。また、これを用いて、汎用のソーニン多項式展開による近似公式の信頼性を評価した。 2.線形化方程式を差分法により直接的に数値計算するために、複雑な衝突積分項を精度良く、高速に処理する数値積分核法を開発した。これはもともと80年代末に単一成分気体に対する解析法として研究代表者の属する京都大学の研究グループで開発されたものである。本研究により、同方法が混合気体の場合へ初めて拡張された。 3.上記2で拡張された数値積分核法を用いて、混合気体に特有の現象である「拡散すべり流」の数値解析を行い、この問題の標準解として十分な精度の数値解を得ることに成功した。これは、汎用の確率論的手法であるDSMC法では到底達成できないものである。なお、この成果については2000年7月にオーストラリア国シドニー市で開催される希薄気体力学国際会議で発表する予定である。
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