研究課題/領域番号 |
10750052
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工学基礎
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
降旗 大介 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (80242014)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 非線型偏微分方程式 / 差分法 / 安定性 / 保存量 / Fermi-Pasta-Ulam方程式 / 非線型Klein-Gordon方程式 / Shimoji-Kawai方程式 / Cahn-Hilliard方程式 / KdV方程式 / Swift-Hohenberg方程式 / Klein-Gordon方程式 |
研究概要 |
本研究の目的は当初、∂u/∂t=(∂/∂x)^3(δG/δu),s∈N_+の形の偏微分方程式に対し、∫Gdxが保存(s:odd)または減少(s:even)する性質を離散的に再現する差分スキームを理論的に構築する方法について調べることにあった。この目的については前年度に幾つかの具体的な適用例を含めて、多くの進展があった。それに加えて、前年度の終わりから本年度にかけて、本方法についてさらに次のような新しい知見が得られた。 1.∂^2u/∂t^2=-δG/δuという形の偏微分方程式に対しても本方法を適用することにより、エネルギー保存性を再現するスキームを理論的に構築できる。 2.∂u/∂t=-δG/δu^^-やi∂u/∂t=-δG/δu^^-という形の複素数値偏微分方程式に対しても、本方法を適用することでエネルギーの性質を再現する差分スキームを理論的に構築できる。 3.多段階線形化とよばれる方法と本方法を併用することによって、エネルギーの性質を再現する上に線形であるというほぼ理想的な差分スキームを構築することが可能な場合がある。 そこで、本年度は上記の新しい知見1.3を主に対象として研究を行った。まず、知見1に対しては、線形波動方程式、Fermi-Pasta-Ulam方程式、非線型弦振動方程式、非線型Klein-Gordon方程式、Shimoji-Kawai方程式、Ebihara方程式等の多くの適用例があることを見いだされ、各々に対して、エネルギーの性質を再現する既知の差分スキームは全て本方法の応用例として包含されること、既知の結果が無い場合には新しくそうした差分スキームが構築できることが具体的に確かめられた。次に、知見3に対しては、Cahn-Hilliard方程式に対して研究を行った結果、線形性とエネルギーの性質の再現性から、安定性と収束性と線形性を全て兼ね備えた理想的な差分スキームを構築することに成功し、それらの性質に全て理論的な証明を与えるとともに、数値実験によりそれらの性質を確認することに成功した。以上の結果より、本年度は前年度とともに当初の研究予定を越えてより多くの実りある結果が得られたと評価できると考えるものである。
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