研究概要 |
マイクロピン-オン-ディスク装置及び雰囲気制御装置においてESEM・VTRトライボシステムを改善することで,ナノ薄膜のトライボ特性及びトライボ材料としての使用条件に関し以下のように纏めた。 1)イオンミキシング法によるCNx膜及びC膜の水蒸気中における摩擦特性に及ぼす接触圧力,摩擦繰り返し数,滑り速度,運動形態,膜厚及び水蒸気圧力の影響を測定し,接触表面変化及び損傷をESEM・VTRトライボシステムを用いて動的観察することで,摩耗形態を分類し,その結果を摩耗形態図に纏め,特にイオンビームミキシング法より成膜されたCNx膜の水蒸気中におけるダイヤモンドとの滑り摩擦における摩擦摩耗のメカニズムを明らかにした(平成11年材料の摩耗に関する国際会議で発表)。 2)昨年度の研究により、C膜に窒素注入することでシリコン材料の"摩耗粒子未発生"領域を拡大することができ,マイクロマシンシステムにおける接触面の保護膜としての応用可能性が期待されるという結論を出したが,本年度では,"摩耗粒子未発生"領域という考えを更にマイクロマシンシステムにおける接触面への設計指針の一つ重要なパラメータとして提案し,特にイオンビームミキシング法より成膜されたCNx膜の水蒸気中におけるダイヤモンドとの滑り摩擦における摩耗粒子の発生を避けるための臨界接触圧力に及ぼす摩擦繰り返し数,膜厚及び雰囲気の影響を測定し,その結果を"摩耗粒子未発生"領域図に纏めた。 3)今後の研究の展開に関しては、マイクロマシンシステムにおける接触面への応用予備実験をし,保護膜としての有効性及び使用条件を実証する.
|