研究課題/領域番号 |
10750126
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉元 宏 京都大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50222055)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 蒸発・凝縮 / クエット流 / 分岐 / 安定性 / Boltzmann方程式 / 希薄気体 / 気体論 / ベナール問題 |
研究概要 |
1.蒸発・凝縮を伴う円形クエット流に現れる分岐:低圧回転気流に生じる分岐現象の代表例として、中心軸回りに一定速度で回転する二重円筒形の凝縮相の間に生じるクエット流を取り上げ、分子気体力学(気体論)に基づく解析・数値解析によって蒸気の希薄度の全ての範囲にわたる振舞いを調べた。その結果、軸方向・円周方向に一様な流れに限っても分岐が現れ、蒸発・凝縮の無い場合とは様子が大きく異なることが明らかになった。希薄度が0の(古典流体力学的)極限においては、内側の円筒が十分に速く回転すれば、蒸発・凝縮の向きが異なる2種類と、蒸発・凝縮無しの3通りの分岐が生じる。希薄度か増大するに伴って最初の2通りの流れは接近し、ある希薄度以上で同一の流れに変わる。0以外の希薄度の流れについては数値解析で解析を行ったが、そこでは蒸発・凝縮無しの流れは得られなかった。このことから、蒸発・凝縮無しの流れは不安定であると推測している。 2.重力場の下の流体層を下から加熱したときの対流(ベナール対流)の分岐:分岐解の安定性を調べる研究として、代表者が以前に行ったベナール問題の研究で得た、2次元矩形領域における対流ロール流の解を用い、その安定性を次のように調べた:まず、1つの渦を持つ解を水平方向に適当に並べ、領域中に2〜6個のロールがある解を作る。その解に小さな擾乱を加え、その後の時間発展を数値解析により追及する。この結果、2〜6個のロール解が安定に存在するための気体領域の縦横比の範囲が明らかになるとともに、領域が横に広がるにつれ、安定な解の種類(分岐の数)が増えていく様子が明らかになった。
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