研究課題/領域番号 |
10750173
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械力学・制御
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
本田 崇 九州工業大学, 工学部, 講師 (70295004)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | マイクロモータ / 電磁力 / 摩擦力 / 高トルク / 摩擦駆動 / マイクロマシン / 永久磁石 / 振動 |
研究概要 |
マイクロモータの実用化には、損失が大きく複雑な減速機を用いないように低回転で高トルクを発生する特性が望まれる。本研究では、電磁力と超音波モータで利用される摩擦駆動を組み合わせた新しい電磁マイクロモータの開発を目指した。具体的には、永久磁石に交流磁界で振動を発生させ、その振動を磁石に取り付けた斜毛によって回転運動に変換するというものである。本モータの評価を行うために、直径5mm、高さ3mmのNdFeB磁石の回転子と空心コイルの固定子から構成されるプロトタイプを試作した。斜毛は厚さ0.1mmのPET製とし、回転子の底に4本固定した。実験の結果、励磁電流の周波数を上昇していくと、ある周波数以上で回転子の跳躍が起こり、回転数が急増するという回転特性が明らかになった。得られた回転数は700rpmに達したが、トルクは0.01mNのオーダーと微小であった。そこで、高トルク化を図るために、励磁コイルにフェライトコアを挿入し、さらに回転子の斜毛の取り付け位置と材質を変更することによって、回転子に強い吸引力が働くよう改良した。その結果、プロトタイプの30倍近い0.35mNの最大トルクが得られた。この値はこれまで提案されてきたmmサイズのマイクロモータと同レベル、もしくはわずかに高い値になっており、本研究で提案した電磁力と摩擦駆動の組み合わせが高トルク化に有効であることが実証された。なお、本モータには高トルク以外にも、軸受けがないため軸受けの損失がない、回転子の交換が容易である、超音波モータのような機械的加圧機構がないため非常に単純な機構である、などユニークな特徴も有する。小型化も容易であり、高級な微細加工装置を用いずに、実際に直径1mmの磁石を用いたマイクロモータを作製し良好な回転が得られた。今後、医療分野をはじめ超小型モータが必要とされる分野への応用が期待される。
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