研究概要 |
1.緊急停止を考慮した軌道計画法 移動速度が上がるにつれて,ロボットが障害物に衝突すること無く安全に停止できる能力の重要性は増してくる.研究代表者らはこれまで,スプライン曲線をべースにした単位運動の概念を用い,移動ロボットのための軌道計画法をさまざまな角度から検討してきたが,ここでは特に,加速度を考慮にいれた緊急停止法という観点から考察し,センサレンジと最高速度との関連や,カーブでの加減速法等について新たな方法を構築した.具体的にはまず,ロボットが通るべき経路(時間を含まないロボットの移動軌跡)をスプライン曲線を用いて計画し,それを次に加速度を考慮して再サンプルして単位運動を用いた軌道を構成することにより,実現している.この方法はリアルタイムでの軌道計画に利用することを前提に構成しており,実際にロボットに搭載して実験を行って,その有効性を確認した. 2.相互干渉を起しにくい超音波センサシステム 超音波センサは,安価で比較的精度のよい距離測定の行えるデバイスとして,移動ロボットに広く使われている.しかしロボットの全周をセンシングするために多数個のセンサをとりつけた上で,室内等の狭い環境内で計測を行うと,超音波信号が互いに干渉を起こしてしまい,正確な測定が行えなかった.この問題を解決するために,超音波信号を固有のコードで変調する方法が提案されていた.研究代表者はこの方法を誤測定を生じる確率の観点から理論的に考察した上で拡張し,効率的なコード生成法を提案した.すなわち,誤動作を完全に排除するのではなく,若干許容することにより,計測時間と計測の信頼性をパランスさせる方法を実現したさらに,また,外乱が存在するような環境においてもこの方法が使えるようにさらに発展させた.
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