研究概要 |
本研究では,電力機器設計に広く使用される電界・磁界シミュレーションとCAD技術を結合する.また,最適化技術,シミュレーション結果の可視化技術を開発する.これらの技術開発により,電力機器を対象とした高効率・高精度設計支援システムを構築する.このシステムを用いることで,電力機器のさらなるコンパクト化を可能とし,環境適合・高効率電力機器の実現につなげる. これまでに,汎用CADシステムと電荷重畳法を用いた電界シミュレーション技術を結合し,対話処理を中心とした高効率電力機器設計支援システムの基礎を構築した.次に,電気絶縁性能向上の観点から,第一ステップとして,機器内部における電界の低減・一様化を目的とし,電荷重畳法に基づいた電界最適化技術を開発した.次に,第二ステップとして,この電界最適化技術を発展させ,電力機器の電気絶縁性能を決定する様々な物理現象を総合的に考慮した,絶縁最適化技術を開発した.特に,すでに導入した面積効果・体積効果に加え,電力機器設計において支配的因子となるV-t特性を考慮に入れ,実機器を想定した計算対象についてその性能検証を行った.この結果より,電界最適化よりもいっそう絶縁性能の向上をはかることができ,設計過程の効率化,コンパクト機器の実現にむけた支援システムを構築することができた.併せて,環境適合の観点から,有限要素法による電磁界解析技術の開発および高精度化をはかり,電力機器周辺の電磁環境の定量化に結びつけることができた.
|