研究概要 |
本年度の研究は,主として問題のモデリング・定式化,ならびに定式化された問題を解くための最適化手法の開発を中心に行った。主たる研究成果は以下の通りである。 (1)燃料費特性のダイナミクスを考慮した経済負荷配分問題の定式化とその評価 これまでの経済負荷配分問題は,燃料費特性を静的なものとして扱ってきたが,実際には過去の履歴に影響を受けるダイナミクスを持つことが知られている。本年度はこのダイナミクスを経済負荷配分問題を考慮した新しい経済負荷配分問題を定式化し,その評価を行った。 (2)「ロバスト」の考えに基づく電源計画問題の定式化とその評価 将来の不確定要因,たとえば燃料費価格や建設費,あるいは需要電力をパラメータ集合として捕らえ,パラメータ集合に対するロバストな電源計画のあり方を提案し,定式化した。さらに,問題の凸性に着目した簡便な解法アルゴリズムを構築した。 (3)定式化された運用・計画問題を解くための新しい最適化手法の開発 定式化された新しい問題はいずれも最適化問題となる。これらの最適化問題を効率的に解くための新しいアルゴリズムを構築した。特に,遺伝的アルゴリズムに基づく手法と力学系のダイナミクスに基づく手法を開発した。
|