研究課題/領域番号 |
10750286
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報通信工学
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
山崎 浩一 玉川大学, 工学部, 助教授 (30230395)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 量子暗号 / 量子通信 / 暗号理論 / 暗号鍵配送 / 秘密鍵系列の一致 / 秘匿性の増強 / 量子情報理論 |
研究概要 |
本年度は、昨年度に明らかにした公衆通信プロトコルの問題(特に、処理時間の問題)の解決法の提案、および、"Cascade"プロトコル効率の改善を行い、公衆通信プロトコルを実現するプログラムを作成した。その結果、以下の成果を得た。 1.処理時間を削減するためには"BBBSS"プロトコルの最適ブロックサイズの代わりにそれより小さいサイズのブロックを使用することにより、わずかなプロトコル効率の劣化を伴うことにより処理時間を大きく短縮することができることを示した。 2."BBBSS"プロトコルにおける誤り訂正法である二分探索法の代わりに従来使用されている誤り訂正符号を用いることにより、処理時間を大幅に短縮する方法を提案した。さらに、"BBBSS"プロトコルの特徴を考慮したハミングの不等式を導出し、この不等式で等号を満たす符号(完全符号)の一生成法を提案した。 3."Cascade"プロトコルは処理時間制限のない状況で、公開ビット数をできるだけ少なくしたい場合に有効な秘密鍵系列の一致プロトコルである。まず、計算機シミュレーションにより、本プロトコルのいくつかの特徴を明らかにした。つぎに、その特徴を用いたプロトコル効率の改善法を提案し、計算機シミュレーションにより本提案方式が公開ビット数においてほぼ情報理論的限界を達成ことを明らかにした。 本研究では、公衆通信プロトコルの基本的な性質を明らかにし、幾つかの問題を解決することができた。その結果、量子暗号鍵配送方式の実現を担う片輪である公衆通信プロトコルについては実用性を上げることができたと考える。今後は、本研究により新たに明らかになった問題点の解決に向けて研究を押し進めるとともに、もう片輪である量子力学的通信路の実現に向けた研究を進めていく予定である。
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