研究概要 |
本研究では,筋電義手の把握力を義手の情報を,電気刺激を用いて使用者に伝達する装置(感覚機能代行装置)を開発し,その有用性と限界を示すことを目的とし,本研究を以下に示すように遂行した. 1.刺激用表面電極の改良 昨年度作製した刺激電極の改良し,柔軟性を高めた電極を試作した.電極の材料として生体との親和性に優れている金箔とパリイミド(厚さ15μm)を用いた.これにより,電極がヒトの腕の形状に柔軟に変型するため,常に腕に密着した状態で貼付することが可能となった. 2.電気刺激システムの構築 本研究では,まず,昨年度試作した刺激電極を用いた電気刺激システムを完成させた.本システムは,電気刺激装置(DPS-1100D,ダイヤメディカル)およびアイソレータ(DPS-105D,ダイヤメディカル),それらを制御する計算機,刺激用表面電極から構成される. 3.皮膚電気刺激に対する心理物理実験 使用者に提示する皮膚電気刺激の周波数,強度,変調方式を決定するため,1チャンネルの皮膚電気刺激に対する感覚閾値と痛み閾値を測定した.被験者は健常者3名である.刺激は,右腕の前腕屈側中央部とした.被験者に呈示する電気刺激は,負パルス波とした.呈示刺激のパルス幅,周波数を変化させた時の,感覚閾値と痛み閾値を測定した.
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