研究概要 |
本研究で用いた2足歩行軌道生成システムは,8個の神経素子からなる神経振動子と,8自由度を持つ2足歩行ロボットから構成される。神経振動子は,神経素子の相互結合によって成り立っており,その結合係数などの諸変数を適当なものに設定することによって神経振動子の出力が2足歩行ロボットの歩行パターンとなる。この諸変数を決定するために,神経振動子の結合構造を左右対称とし変数の数を個とし,0〜10の値で6bitにコーディングを行った。これらを用いて遺伝的アルゴリズムによって最適な歩行パターンを出力する変数の組み合わせを求めた。得られた歩行パターンを用いて2次元での歩行シミュレーションを計算機上で行った。次に歩行シミュレーションにおいて,支持脚周りに回転モーメントが生じるため,平衡保持機構をシステムに付加した。これは,ロボットを重心と支持脚の接地点からなる倒立振子とみなしている。ロボットの腰の部分に取り付けたジャイロセンサからロボットの支持脚周りの回転角度を測定し,倒立振子を鉛直に保持するために支持脚の踵にかけるトルクを倒立振子方程式から算出する。これによってシミュレーションでのロボットの歩行は安定したものになった。 次に,実機の製作を行った。用意したアクチュエータはRH-8C-3006(HarmonicDrive社製)で,定格トルクは2.0Nロである。また,ロボットの素材にはジュラルミンとアルミを使用する。これによって全長45cmで全重約4kgの8自由度の2足歩行ロボット完成した。制御系は、PC(CPU:intel Pentium)と4chのDAボード2枚、そして4chのカウンタボードが2枚である。これによって、アクチュエータはソフトウエアによって、神経振動子の軌道に追従するように制御される。
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