研究課題/領域番号 |
10750357
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木材料・力学一般
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
沖中 知雄 近畿大学, 理工学部, 助手 (90298985)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 阪神・淡路大震災 / 衝撃問題 / 弾塑性挙動 / 歪速度依存性 |
研究概要 |
阪神・淡路大震災において、多くの鋼構造物で座屈や脆性破壊といった不安定破壊現象が発生した。これらの脆性破壊のうち、多くの事例では部材の大規模変形後に亀裂の発生・進展が見られ、地震により導入された塑性予歪により鋼材が脆化、それにより亀裂の不安定成長が誘発された可能性が否定できない。そこで阪神・淡路大震災により被災した阪神道路公団神戸線の鋼製橋脚から採取した試験片について様々な材料試験を施した結果、鋼材に導入された予歪みの板厚方向平均は、座屈部で12.3%、非座屈部で4.4%と言う値が得られた。これは既往の研究で得られた解析結果のの数倍に達する値であり、その導入課程は注目に値する。そこで本研究では、これらの歪の導入過程を明らかにする目的で、阪神神戸線P-585橋脚の地震時挙動を衝撃問題の視点から解くことに着目した。歪速度依存性を持つ構成則を導入することにより、衝撃による歪速度が構造物の弾塑性挙動に与える影響について検討を加えた。解析の結果、観測された地震動を入力データとして用いた場合には、橋脚の歪速度は10^<-2>のオーダーを持つ事が分かった。これは一般に鋼材が歪速度依存性を発揮する下限を上回る値であり、地震時の鋼構造物の弾塑性挙動の解析に歪速度依存性を考慮することが有効であることを示唆している。一方、導入された塑性歪みは1%程度であり、実験により観測された値を大きく下回った。実験によって得られた規模の塑性歪を導入するためには、観測された地震動の4倍程度の上下動を与える必要があり、解析の条件を考慮しなおす必要が認められた。
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