研究課題/領域番号 |
10750359
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造工学・地震工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小幡 卓司 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20214215)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 可変剛性型システム / 振動制御 / 橋梁構造物 / ファジィ制御理論 / 瞬間最適制御理論 / 遺伝的アルゴリズム / 振動抑制 |
研究概要 |
一般に、橋梁構造物においては交通荷重や風等に起因する振動に対してその安定性を向上させることは、構造物の耐久性、使用性、耐風安定性等を改善する観点から、極めて重要な一項目であると考えられる。近年においては、構造物に何らかのデバイスを設置し、振動制御によって安定性の改善を目指す方法が次第に実用化されつつある。 本研究では、ケーブル構造を付加した橋梁構造物における可変剛性型制振システムの制振効果・制御効率等を検討することを目的として、制御理論にファジィ制御理論および瞬間最適制御理論を用いたシミュレーションならびに振動制御実験を行なったものである。また、ファジィ制御の最適化は、近年組み合わせ最適化問題の一解法として注目されている、遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて行うこととした。加えて、可変減衰型システムによる振動制御も合わせて行い、両者の比較によってこのような制振手法の橋梁構造物への適用性等に関して考察を加えた。 これらの解析・実験結果により、可変剛性型システムの振動制御は、可変減衰型あるいは一般的な制御力型システムに比して非常に有効な効果を発揮することが判明した。まず制御理論の相違による振動抑制効果は、GAによって最適化されたファジィ制御理論を用いた場合が最も高いことが分かった。次に、最大制御張力の差異による制御効果率ついては、制御張力が初期張力の10%程度までは最大応答変位の減少率は大きく変化するが、その後は制御張力の増加に対して制振効果はあまり増大せず、20%を越えるとその効果は概ね一定となることが認められた。さらに実験結果に関しては、ほぼ解析結果と同様な傾向を有することが確認された。 以上の結果より、可変剛性型システムを用いた振動制御は十分な振動抑制効果を期待できることから、極めて有効であると考えられ、実際の橋梁構造物における適用制等に関しても十分に期待できると推定される。
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