研究課題/領域番号 |
10750420
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三辻 和弥 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90292250)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 混合体理論 / 不飽和砂 / 動的問題 / 波動伝播 / 周波数依存症 / 圧縮性 / 連続体力学 / 周波数依存性 |
研究概要 |
前年に引き続き、不飽和砂質地盤の動的モデルを連続体力学理論より引用し、P波の波動伝播特性を中心に数値解析を行った。用いた基礎理論は1982年にBowenによって提案されたものである。この理論では、従来から飽和砂質地盤の研究例として数多く用いられているBiotの理論では定数として扱われている間隙率を、土骨格と水の歪を用いた速度依存型の構成則で表している。周波数一波数領域に展開し特性方程式を求めると間隙率を構成則で表した効果は土粒子、土骨格、水の体積弾性率によって記述され、特に水の体積弾性率を考慮することにより、不飽和砂質地盤の動的モデルとして適用できる。特性方程式を解き、位相速度と減衰について考察を行った。比較の対象としてBiotの理論による飽和砂質地盤と、Whiteによる水の体積弾性率に飽和度の影響を考慮した不飽和砂質地盤モデルと比較した。Whiteのモデルによる不飽和砂質地盤では飽和砂質地盤に比べて、P波の位相速度は減少し、既往の論文で報告されている観測結果と一致する。また本研究で用いたBowenのモデルでも水の体積弾性率を変化させることにより、同様な結果を得ることができた。さらにBowenのモデルでは低周波数領域で土骨格の体積弾性率の影響による位相速度の変化が見られ、長周期波の波動伝播特性に対する地盤物性の影響が予想される。Whiteのモデルによる不飽和砂質地盤では減衰の最大値は飽和砂質地盤よりもやや小さくなるが、周波数に対する減衰曲線はほぼ同じ形を示す。Bowenのモデルでは比較的周波数の高い領域ではこれと同様な結果を示すが、位相速度で変化の見られたのと同様に周波数の比較的低い領域では構造減衰的な振る舞いを示し、減衰が大きくなる傾向があることが確認された。また、ミクロな地盤物性の変化という点から間隙率と透水係数に空間的ばらつきを与えた解析を行い、同様な結果を得た。
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