研究課題/領域番号 |
10750431
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
崎野 良比呂 大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (80273712)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 柱梁接合部 / 溶接 / 脆性破壊 / 十字継手 / 繰返し荷重 / 変形能力 / 圧縮ひずみ / 柱・梁接合部 |
研究概要 |
阪神大震災等で見られた溶接部の全面降伏後の脆性破断では、圧縮ひずみを含む繰返し塑性歪が付加されたことにより母材および溶接金属の材質が劣化した事が脆性破断に至った大きな原因であると考えられる。そこで、この圧縮ひずみを含む繰返し塑性歪が破壊に与える影響を把握し、これを踏まえて柱梁フレームが十分な変形能力を発揮するために溶接部に必要とされる靭性値を提案する事を目的として本研究を進めている。 平成10年度はまず、FEM解析により供試体形状を検討し、検討結果から得られた条件を満たした十字継手供試体を用いて、繰返し塑性歪を与えた後破断に至らせる実験を行った。実験変数は(1)繰返し歪の大きさ(±1.5%×5回、±3%×5回)、(2)溶接金属の靭性(0゜Cのシャルピー衝撃試験値_vE_0:40J,200J)、(3)試験温度(+20゜C、-40゜C)である。その結果、変形能力から見ると溶接部の_vE_0が200Jでは脆性破断する条件下でも大きな変形能力を発揮するが、40J程度では小さな変形で脆性破断する事がわかった。 平成11年度は、必要靭性値の絞り込みを行うため_vE_0が85J程度の同様の供試体を製作し同様の実験に供した。さらに、柱梁溶接部に要求される必要変形能力を阪神大震災の被害報告や既往の解析結果を基に設定し、実験結果との比較検討を行った。本研究から得られた結論は以下の様にまとめる事ができる。 「地震のような後歪速度での圧縮ひずみを含む繰返し塑性歪を受ける場合に柱梁溶接部に必要とされる変形能力は1.5%*5回の繰返し歪振幅を受けた後に単調載荷で8%以上とするのが妥当であると考えられる。また、これを満たすために溶接部に求められる靭性値は、_vE_0で85J程度必要であると考えられ、JISで定められている低応力脆性破断を対象とした27Jもしくは47Jといった値では不足であると考えられる。」
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