研究課題/領域番号 |
10750438
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築環境・設備
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高田 暁 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20301244)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 着衣 / 温熱生理 / 熱水分同時移動 / 汗 / 平衡含水率 / 被験者実験 / 非定常状態 / 体温調節 / 発汗 / Two-node model |
研究概要 |
衣服を身につけた人体の熱環境に対する非定常応答を、発汗がある場合にも予測できるモデルの作成を目的として、以下の検討を行った。 1.汗をかいた状態の被験者を冷房された環境に一定時間滞在させるという実験を行い、深部温、皮膚温、着衣温の変化性状を計測する。 2.皮膚および着衣表面温度分布の経時変化から、皮膚と着衣の接触状況の特性を把握する。 3.連続蒸散・発汗測定装置を活用して、発汗過程における発汗量の変動を計測する。 4.深部温に相当するものとして測定されている腋下温、鼓膜温、直腸温の特性を把握する。 5.汗が蒸発する過程における着衣温変動を十分に再現できるモデルを作成する。 上記の各項目に対応する結論は、それぞれ以下の通りである。 1.部位により、皮膚温に最大で約4℃の差が見られ、汗の蒸発過程における変動パターンも異なる。汗の蓄積量が多い部位ほどが、蒸発による温度低下が長く続く。発汗過程の着衣温に関して、水分の吸着による急激な温度の上昇が見られた。本実験の場合、着衣温の最高値は気温より約2℃高い。 2.赤外線画像より、着衣含水率が比較的高いと思われる部位において、着衣からの熱損失が比較的長時間続く傾向が確認された。また体表面の凹凸により、胸中央などで皮膚と着衣が離れている、逆に腹部で接触しているなどの傾向が示された。 3.発汗過程において皮膚温、深部温、発汗量が単調増加する。 4.高温環境から低温環境へ移動する際の温度変化性状は、腋下、鼓膜、直腸それぞれで異なっていた。 5.着衣の平衡含水率を測定した。また、湿度が階段状に変化する場合の着衣の温度変化を計測した。着衣の温度変化過程について、熱水分同時移動モデルに基づく数値解析を行ったところ、適切な平衡含水率曲線、湿度伝達率を用いれば、実験値を再現できることが確認された。
|