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ロシア構成主義におけるファクトゥーラの概念についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 10750467
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 建築史・意匠
研究機関神戸大学

研究代表者

埴淵 都紀子  神戸大学, 工学部, 助手 (70294197)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワードロシア構成主義 / ファクトゥーラ
研究概要

前年度に引き続き,特に原典資料を収集し,これまでの検討内容との比較検討を行った.
特に入手困難であった1910年代出版の原典図書が入手できた.
今年度は,アヴァンギャルドの芸術家グループが,INKHUK内での議論を通して,ロシア構成主義の基本命題を確定していった過程について特に重点的に検討を行った.考察の結果,ファクトゥーラの概念は当初,芸術家の作品が,二次元から三次元の立体へと移行していく過程において,素材の扱い,表現の手法を意味する最も基本的な概念の一つとして捉えられていたことがよりはっきりとした.しかしながら,彼らの主眼が,芸術家の作品をいかに実際の生産へと結びつけるかということに発展していく過程で,アレクセイ・ガンの主張と,ロトチェンコらの主張とに大きな隔たりができてきた.特にガンは,素材をいかに構成するかということを考えると,ファクトゥーラの概念は,最も重要であり,この概念なしには,構成もテクトニカも存在し得ないと主張した.これに対して,ロトチェンコらは,ファクトゥーラは,二次元の絵画に関する概念として認識されてきたものであり,新しい三次元の生産にはふさわしい言葉ではなく,その内容はテクトニカに包含させるべきであるとした.これまで芸術家の作品とともに包含する内容を展開させてきたファクトゥーラの概念は,テクトニカに取って代わられるというロトチェンコらの主張は,他のメンバーにも受け入れられた.この考察の結果,構成主義第一ワーキンググループで,ファクトゥーラという言葉そのものが否定され,使用されなくなっていった過程が明らかになった.
今後,さらにバウハウスにおいてカンディンスキイらが行った授業等から,ドイツにおけるファクトゥーラの展開を明らかにすること必要であると考えられる.

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 埴淵都紀子: "INKHUKにおけるファクトゥーラ関する議論について ロシア・アヴァンギャルドのファクトゥーラに関する考察2"日本建築学会大会学術講演梗概集. F-2. 319-320 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 埴淵都紀子: "ロシアアヴァンギャルドにおけるファクトゥーラの概念とその表現について" 意匠学会会誌デザイン理論. 37. 57-70 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 埴淵都紀子: "タトリンのカウンターレリーフとファクトゥーラの概念について ロシアアヴァンギャルドのファクトゥーラに関する考察1" 日本建築学会大会学術講演梗概集. F-2. 313-314 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 埴淵都紀子: "ロシアアヴァンギャルドにおけるファクトゥーラの概念の展開について" 日本建築学会近畿支部研究報告集. 38号計画系. 925-928 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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