研究課題/領域番号 |
10750512
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
三浦 博己 (三浦 博巳) 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30219589)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 粒界すべり / 液体粒子 / 分散強化合金 / 高温変形 / 双結晶 / 粒界エネルギー / B_2O_3 / 粒界破壊 |
研究概要 |
本研究では、粒界上に分散された液体B_2O_3粒子が銅の粒界すべりに対してどのような挙動を示すかを調査したものである。 方位制御した種々の銅双結晶に内部酸化法によってB_2O_3粒子を粒界上および粒内に分散させた。粒界すべりを起こすための負荷応力はCu-B_2O_3合金の降伏応力以下とした。粒内の分散B_2O_3粒子は個体あるいは液体でもOrowan機構あるいはSrolovitz機構によって転位の移動を妨げるため、粒界すべりを起こすための引張変形中に生じる可能性のある粒内転位の粒界への侵入を阻止する。したがって本実験は粒内転位の影響の無い状態で粒界をすべらせ、その挙動を観察したことになる。 B_2O_3粒子が個体の状態では粒界すべりは起こらなかったが、温度上昇により粒界とB_2O_3の粘性率が急激に低下すると、粒界上液体粒子が剪断変形されるかたちで容易に粒界すべりが発現するようになった。この傾向は温度が高いほどより顕著となった。したがって液体粒子は固体粒子のように粒界すべりの大きな障害とはならないことが明らかとなった。この粒界上液体粒子の剪断量を利用して粒界すべりの測定を試みた。この方法は測定誤差の極めて小さく、粒界すべりの新測定法として利用される可能性がある。測定された粒界すべり量とその難易は粒界方位差によって大きく変化したが、これは粒界エネルギーをパラメーターとして簡単に理解することができた。すなわち粒界エネルギーが高いほど粒界すべりが起こりやすい。このことは既にMo^^-ire法によって測定された銅の結果と全く同じである。この結果は粒界上液体粒子は粒界すべりの障害とは全くなっていないことを意味しており、このことより粒界上に分散されたB_2O_3液体粒子は粒界すべりを全くといってよいほど抑制しない結論された。
|