研究課題/領域番号 |
10750517
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
安田 弘行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60294021)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 双結晶 / マルテンサイト変態 / バリアント / 傾角粒界 / 粒界性格 / SEM-EBSP / Fe / Ni |
研究概要 |
Fe-Ni合金双結晶のマルテンサイト(M)変態挙動に及ぼす粒界性格の影響について、変態開始温度(Ms点)、変態開始応力(σ)、ならびにバリアント選択に注目して調べた。まず、Fe-32at.%Ni合金単結晶、傾角粒界双結晶、ねじり粒界双結晶をそれぞれ作製し、これら結晶に対し、(1)無負荷冷却により変態を誘起した場合、(2)オーステナイトが安定な温度域にて応力により変態を誘起した場合、(3)室温にて引張変形により予歪導入後、無負荷冷却により変態を誘起した場合の3つの場合について調べた。 (1)の場合、ねじり粒界では、粒界でのM変態の優先性は認められず、Ms点も単結晶のそれと比べわずかに上昇しただけであるのに対し、傾角粒界双結晶では、粒界を起点として粗大なレンズ状M晶が形成されるとともに、Ms点も80K近く上昇した。さらに、傾角粒界を挟んで両結晶に形成されるM晶は同一バリアントであり、また、粒界に対して晶癖面が最も平行なバリアントを選択していた。このことは、粒界における変態歪の連続性が、傾角粒界におけるM変態に対して重要な役割を果たしていることを示唆している。さらに、(2)、(3)の場合でも傾角粒界近傍に形成されるバリアントは(1)の場合と変わらず、応力負荷によるM変態の助長効果よりも、変態歪の連続性の方が選択するバリアントを決定していると考えられる。一方で、ねじり粒界では、変態歪の連続性が粒界を介して満足されないため、粒界でのM変態の優先性が低いと結論付けることができる。
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