研究課題/領域番号 |
10750547
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大村 直人 神戸大学, 工学部, 助教授 (50223954)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | マクロ混合 / ミクロ混合 / 非線形現象 / 生物的進化戦略 / 最適混合 / 反応プロセス / 自励振動現象 / 遺伝的アルゴリズム / 分岐特性 |
研究概要 |
本研究では、反応装置内のマクロ的な現象はマクロおよび、ミクロな混合を制御することで制御可能であるという観点に立ち、生物的進化戦略である自然淘汰の原理に基づいた遺伝的アルゴリズムを組み込むことにより、最適混合場を設計することを目的とし、ミクロ混合の素反応過程間の相互作用に及ぼす影響とマクロ混合の局所反応の空間相互作用に及ぼす影響を完全混合槽型反応器および、テイラー渦流反応器を用い、非線形化学反応(BZ反応と過酸化水素水とヨウ素を用いた2次反応)により調べた。この非線形化学反応に及ぼす流動・混合効果を明らかにするために、複雑な流動遷移の分岐特性を有するテイラー渦流反応器の不安定性と物質移動・混合に対する履歴現象の影響について観察した。また、反応の非線形性の生産物特性に及ぼす効果も調べる必要が生じ、これについて、酢酸ビニルの連続乳化重合に生じる重合率の自励振動現象と得られるラテックス粒子の粒径分布の変化を観察した。次に、最適混合場の創出のために、情報エントロピーを用いた新しい混合評価法を提案した。さらに、この混合評価法を用いて遺伝的アルゴリズムを用いて混合場の最適化を試みた。また、実際的な反応装置への応用に向けて、撹拌槽内の不均一混合の観察とその評価も行った。本研究により得られた結果は以下の通りである。 1.非線形反応系に生じる自励振動現象は、反応活性化因子と反応抑制因子の相互作用により生じ、これを利用することでラテックス粒子の粒子径分布などの生産物特性を制御することが可能であることがわかった。 2.反応器内のマクロおよび、ミクロな混合特性は 自励振動現象などの化学反応の非線形現象に大きく影響を及ぼすことがわかった。さらに、マクロおよび、ミクロな混合の空間的な不均一さが反応を安定化する場合と不安定化する場合の両方に働くこと、非線形性に応じて反応速度に及ぼす効果が異なることを見出した。 3.今回提案した情報エントロピーを用いた混合評価法により混合場の不均一さを定量化することができた。 4.この評価法をもとに遺伝的アルゴリズムを組み込むことにより、混合場の最適化を図ることができた。 5.実際的な反応装置の例である撹拌槽型の反応器においても、低レイノルズ数で混合を行うとき、撹拌翼上下にトーラス状の孤立混合領域が存在しており、このような不均一混合場においても、今回提案の評価法と最適化の有効性を見出した。
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