研究課題/領域番号 |
10750577
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
紀ノ岡 正博 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (40234314)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | バイオリアクター / 増殖モデル / 画像処理 / 組織培養 / 角化細胞 / 細胞数測定 / 培養皮膚 / 動物細胞 / 皮膚細胞 / 増殖速度論 / 画像解析 / 知的制御 / ケラチノオイト / 動物細胞培養 |
研究概要 |
形成外科領域では、ヒトの皮膚、軟骨、骨等の組織内にある細胞を分離し、in vitro で培養および組織の再構成をおこなった後、患者に移植する形成治療技術が開発されきた。特に、火傷患者に対して皮膚組織の角化細胞を培養して、培養皮膚(スキングラフト、表皮細胞をin vitroで皮膚組織に再構成したもの)を生産・移植する際、培養工程がもっとも重要となってくる。本申請課題では、平成10年度にフィーダーレイヤーを用いずヒト角化細胞を培養する方法を確立するため、培地組成、細胞付着面の改善、培地量、接触量等の基礎的培養条件について検討を行なった。また同時にCCDカメラを付設した光学顕微鏡にて本培養条件下での角化細胞の増殖形態を解明し、速度論的解析を行なった。平成11年度は、CCDカメラを付設したバイオリアクターシステムを構築して、角化細胞の細胞間隔、倍化時間、さらには、細胞分裂時の培養容器底面への細胞の付着機構を明らかにし、培養データを蓄積した。特に、無血清培地を用いた角化細胞の単層培養において、増殖に対する種々の細胞摂取量の影響について検討を行った。細胞配置型モデルを適用し、接種後の細胞接着期、誘導期、対数増殖期、および細胞密度が高いときの接触阻害により生じる定常期を表現した。本モデルを用いることにより、細胞分裂が起こるまでの誘導期の時間は細胞摂取量の対数値に比例して短くなり、その結果、細胞増殖が向上することがわかった。さらに、提案したモデルは、角化細胞の効率的な増殖を実現する最適な細胞摂取量の決定に有効であることを実証した。このことは、本モデルが、スキングラフトの生産に対し最良な培養計画を予測するための有用なツールとなることを示した。
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