研究課題/領域番号 |
10750589
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山田 耕太 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (30261473)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 静電噴霧法 / 複合酸化物 / 薄膜 / リチウムイオン二次電池 / ニッケル酸リチウム / インターカレーション / 薄膜X線回折 |
研究概要 |
1.静電噴霧法によるニッケル酸リチウム系薄膜の作製と評価 静電噴霧法によりニッケル酸リチウム薄膜を直径6mmの金基板上の両面に作製した。その作製条件(前駆体溶液の噴霧条件や焼成条件)は平成10年度の結果から最適と思われる条件を選択した.前駆体溶液の噴霧時間を変えることで、膜厚が0.3〜1.0μmの薄膜試料を得た。また、各試料の結晶構造については薄膜X線回折測定を行い、層構造を有する六方晶系のニッケル酸リチウムが単相で得られたことを確認した。 2.電位ステップ法によるリチウム拡散係数の測定 リチウムイオンを含む有機溶媒(1M LiCIO_4/PC+EC)中でサイクリックボルタンメトリー(cv)を行い、電極が電気化学的に活性であることを確認した後、電位ステップ法によるリチウムの電極内拡散係数の測定を行った。 電位は2.5〜4.1V(vs.1M Li^+/Li)の範囲内、±20mV幅で階段状にステップさせ、各ステップにおける電流応答の時間変化(30分間)を記録した。この結果を基にして、In(i)vs.tプロットの傾きから求めた見かけのリチウム拡散係数は約10^<-9>〜10^<-10>cm^2/secであった。また、その電位依存性はcvと同様に約3.8V近傍で最大となる幅広いピークとなることが分かった。しかしながら、In(i)vs.tプロットではリチウムの電極内拡散に起因する直線領域が測定電位によっては必ずしも明瞭でなく、その解析にはやや任意性が入ることを避けられなかった。 精度の高い測定を行い、結晶構造の変化と拡散係数の相関を明らかにするためには、さらに膜厚を薄<したり、電位ステップ幅を小さくした上に電位保持時間を長くするなどの工夫が必要である。
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