研究課題/領域番号 |
10750650
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大北 英生 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50301239)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | カルバゾール / 二量体モデル化合物 / 過渡吸収測定 / 電荷共鳴吸収帯 / ダイマーカチオンラジカル / エキシマー / 鎖長効果 / 環化反応 / 二重体モデル化合物 / 閉環確率 / アンチ型ダイマー |
研究概要 |
エキシマーを形成しないカルバゾール(Cz)系高分子としてpoly[2-(9-carbazoly)ethyl methacrylate](PCzEMA)と2-(9-carbazolyl)ethyl methacrylateとmethyl methacrylate との共重合体(P(Cz(x)EMA))と、二つのCz基を異なるスペーサー長nの両末端に繋いだ二量体モデル化合物を用いて実験を行い、以下の知見を得た。 1.二量体モデル化合物の過度吸収スペクトル測定 n=3ではこれまで報告されているように1600nm付近に電荷共鳴吸収帯が観測され、全スペーサー長の中で最もダイマー形成が有利であることを明らかにした。n=4においては、エキシマーを形成しないものの、ダイマーカチオンは形成することを見い出した。これは電荷共鳴安定化エネルギーが大きいことに起因すると考えられる。これに対し、n=5〜10では近赤外波長域に吸収はほとんど観測されず、n>10で再び近赤外波長域に吸収が観測された。このピーク波長は1200nm付近と極めて短波長であり、数マイクロ秒の立ち上がりを有することが分かった。電子アクセプターの種類や光照射回数の影響、溶媒効果などを検討した結果、n>10では光照射により環化化合物が生成していることが示唆された。 2.高分子系の過渡吸収スペクトル測定 種々のCz組成を有するP(Cz(x)EMA)系についても、Cz組成が高くなるにつれ、近赤外波長領域に吸収帯が観測された。この吸収帯は、n>10の二量体モデル化合物において観測されたものと同様に、1200nm付近に吸収ピークを有し、数マイクロ秒の立ち上がりを有していることから、P(Cz(x)EMA)系においても環化反応が起きていることが示唆された。
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