研究概要 |
ポンツーン型VLFSの波浪中弾性挙動に関する研究として,本年度は大楠らの方法を用いて波浪応答の様子を調ベるともに,上部構造体の振動とVLFS上に発生する流力弾性波との関係について調べた.また,セミサブ型VLFSに作用する波浪外力の共振問題についても考察を行った.得られた知見を以下にまとめる. 1.長大なVLFSの自由端において,低い振動数の変位励振を行うと水面上・浮体上共に発散波振幅は小さく,高い振動数の変位励振を行うと,水面上の発散波振幅は非常に大きくなり,浮体上の発散波振幅は強制変位振幅の1/3倍程度となる. 2.長大なVLFSの中央部において,傾斜が常に0であるような,低い振動数の変位励振を行うと浮体上の発散波振幅は小さく,高い振動数の変位励振を行うと浮体上の発散波振幅は強制変位振幅程度となる. 3.VLFS上を伝播する流力弾性波は波長の長いものほど水波側に透過しやすい. 4.VLFS上の上部構造物が振動することによりVLFS上に流力弾性波が発生するが,これにより上部構造物自身の振動は減衰する. 5.この場合の造波減衰係数はVLFSの剛性が大きいほど,また水深が浅いほど大きい. 6.セミサブ型VLFSに作用する波浪外力はある特定の入射波長で非常に大きくなり,注意が必要である.
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