研究課題/領域番号 |
10760009
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
作物学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
大場 伸也 岐阜大学, 農学部, 助手 (80221836)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ソバ / Fagopyrum / 脱粒性 / 種子 / 遺伝率 / 栽培 / 離層 / 4倍体 / Fagopyrum spp. / 小枝 / 栽培化 / 離層組織 / 倍数性 |
研究概要 |
脱粒性は、野生種から栽培種へ作物が進化する過程で変化する重要な形質の一つであり、脱粒性の研究は新作物の作出に必要不可欠である。ソバは数千年の栽培の歴史を持つが、脱粒し易い作物である。前年度はソバ属栽培種・野生種を材料に用い、脱粒性に関する種間差異を調査した。その結果、野生種は小枝に離層組織を形成し種子を容易に脱落するが、栽培種は離層を形成しないため野生種に比べると脱粒しにくかった。また、種子の大きさと脱粒性程度との間に相関が認められた。そこで本年度は、栽培ソバである普通ソバ(Fagopyrum esulentum)とダッタンソバ(F.Tataricum)について、種子の大きい4倍体系統を用い2倍体との比較や種内変異の調査を行った。また、肥料条件や播種時期などの環境条件が脱粒性に及ぼす影響についても調査した。普通ソバ4倍体は既存品種を用いたが、ダッタンソバについては4倍体系統を育成し実験に用いた。 ダッタンソバ2倍体(2n=16)にコルヒチンを処理し、植物体や種子が大型化したF_4系統を育成した。根端分裂組織の染色体数を調査したところ約30本確認されたため、これらを4倍体として取り扱った。普通ソバならびにダッタンソバの2倍体と4倍体を比較したところ、4倍体の諸形質が2倍体よりも大きかった。脱粒性に関しては、両種とも2倍体の親品種・系統よりも4倍体品種・系統の方が有意に脱粒し難くかった。普通ソバとダッタンソバの間で、倍加により脱粒し難くなる程度を比較したところ、ダッタンソバで顕著であった。しかし、我が国で育成中の2倍体ダッタンソバには今回育成した4倍体ダッタンソバに匹敵する難脱粒程度の系統が存在した。肥料に対する脱粒性程度の変化をみると、施肥を行った方が無施肥の場合よりも脱粒し難かった。異なる播種時期で栽培した場合にも、栽培時期の間に脱粒性程度に差が認められた。普通ソバの脱粒性に関して広義の遺伝率を推定したところ0.2〜0.5であり、環境の影響を受けやすいために選抜による脱粒性の改良が困難であることがわかった。
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