研究概要 |
(1) m-RNAの調製:Botrytis cinerea 7186株から総RNAをAcid Guanidinium-Phenol-Chloroform法により抽出した。Proteinase K処理によりRNaseを失活させた後、オリゴ(dt)セルロースカラムによりポリ(A)セレクションを行った。オリゴ(dt)セルロースカラム吸着画分よりm-RNAを得ることが出来た。 (2) プライマーの調製:精製β-グルコシダーゼを用い、N末端は手動エドマン法、C末端はカルボキシペプチダーゼ法により各末端から8残基のアミノ酸の配列を決定した。このアミノ酸配列から塩基配列を推定し、それぞれ20〜24塩基対の長さのプライマーをデザインした。 (3) cDNAの調製:Reverse transcription-PCR法(RT-PCR)により、cDNAの合成と増幅を行った。Reverseの反応はオリゴ(dt)プライマー,PCRは(2)で調製したプライマーを用いた。 (4) cDNAライブラリーの作成:TAクローニングキットでcDNAライブラリーの作成を試みた。 (5) 5'/3'RACE法でのcDNAの調製:RT-PCR法ではcDNAライブラリーを作成出来なかったので、このcDNAの調製を5'/3'RACE法で行い、TAクローニングキットでcDNAライブラリーの作成を試みた。その結果cDNAライブラリーの作成に成功した。 (5) スクリーニング:本菌のβ-グルコシダーゼはX-gluで活性染色できるので、(4)のホワイトコロニーをレプリカ法でX-gIu添加培地にレプリカし、ブルーコロニーを選択した。その結果、10株のポジティブクローンを得ることが出来た。 以上のことによりBotrytis cinereaのcDNAライブラリィーの作成とβ-グルコシダーゼのクローニングを行うことが出来た。
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