研究課題/領域番号 |
10760066
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物生産化学・応用有機化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋床 泰之 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40281795)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | Klebsiella oxytoca / 4-hydroxycinnamate decarboxylate / selective hydrogen incorporation / 4-HCD inducer / 6-hydroxy-2-naphthoic acid / induced protein / Phyllobacterium myrsinacearum / PCR amplification / 4-ヒドロキシケイ皮酸脱炭酸酵素 / 植物着生細菌 / 基質特異性の検討 / 競争阻害剤の検索 / 4-ヒドロキシスチレン / プロトネーションの幾何選択性 / 4-ヒドロキシケイ皮酸の脱炭酸中間体 |
研究概要 |
Klebsiella oxytocaの4-ヒドロキシケイ皮酸脱炭酸酵素(4-HCD)による反応において、脱炭酸に伴って生成するスチレン誘導体のビニル基炭素上では置換水素原子の幾何配置が保存されることを明らかにした。この幾何配置の保存性は、カルボキシル基が開裂する際に起こる水素イオンによるカルボニウムカチオンの攻撃が立体選択的であることによると説明された。本酵素はその基質(4-ヒドロキシケイ皮酸類)が存在して初めて菌体内で誘導される。酵素誘導剤でもある培地中の基質は誘導された酵素により分解し、減少するため、酵素量は対数増殖初期に急激に上昇し、以後、減少する。可溶化酵素を用いた基質試験で非基質と認定された幾つかのアナログ化合物について、K.Oxytocaに対する4-HCD誘導活性をスクリーニングした結果、6-hydroxy-2-naphthoic acid(1)および7-hydroxycoumarin 3-carboxylic acid(2)に強い活性が認められた。2mMの1を含む培地で増殖したK.Oxytoca菌体から得た可溶性タンパクは、本来の基質であるE-4-hydroxycinnamic acid添加区に比べてタンパク当たり5倍以上の高い酵素活性を60時間にわたって維持し、SDS-PAGEにおいても21kbのバンドが明瞭に確認された。PCRによる本酵素遺伝子の検出を検討し、アミノ酸配列が明らかにされているBacillus属細菌2種およびLactbacillus属1種の4-HCD酵素をもとに、保存性の高い配列NGWEYEおよびVVPEFAからそれぞれセンスおよびアンチセンスのdegenerate primerを調製した。これらを用いてK.Oxytoca野生株から得たDNA断片の増幅を試み、300bp鎖長の特異的増幅を確認した。同様に、K.Oxytoca JCM 1665株や他の植物から分離された4-HCDポジティブの細菌類の染色体DNAについてもPCRを試みたが、1665株およびphyllobacterium myrsinacearumでは特異的増幅は進行せず、ハマナス葉から分離した未同定細菌のみで増幅が認められた。
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