研究課題/領域番号 |
10760078
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大荒田 素子 千葉大学, 真菌医学研究センター, 助手 (40211784)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 真菌感染 / 絶食 / 復食 / IFN-γ / コルチコステロン / ACTH |
研究概要 |
エイズ感染時に多発する真菌感染に対する生体防御機構への食品成分の影響を明らかにするための実験系を確立することを目的とし、マウスの真菌感染モデルを用いて絶食の感染防御能に対する影響およびそのメカニズムを検討した。(1)マウス(BALB/C,雌,7週令)に三日間の絶食後に菌(Paracoccidioides brasiliensis〈Pb))を接種(2×10^6/マウス)し、直ちに復食した場合、感染時に体重、脾臓および肝臓重量の有意な低下があるにも拘わらず、感染抵抗力の低下は見られなかった。絶食群において感染直後からの復食により感染初期に血中コルチコステロンおよびACTH濃度が非絶食対照群よりも低値であった。また、IFN-γの脾臓での産生量と血中濃度は対照群と大きな差はなかった。(2)菌接種後直ちに3日間絶食した場合、感染低抗力の低下が見られた。その一方で、IFN-γの脾臓での産生量と血中濃度は対照群よりも高値を示した。このことは、感染直後からの絶食による体力消耗では、感染抵抗力は低下するが、それに対する生体の反応としてIFN-γ産生が増強することを示している。また絶食群が抗IFN-γ抗体の接種により抗菌作用が低下したことは、絶食により有意に増加したIFN-γが少なくとも部分的には殺菌作用に貢献したことを示唆している。マウスにおいてPb菌の殺菌作用にマクロファージが関与し、IFN-γがその作用を強める報告があり、また近年、我々はPMNがPb菌に対する制菌作用を持つことを明らかにした。さらにIFN-γはPMNのPb菌に対する抗菌作用を強めた。以上のことより絶食により増加したIFN-γはマクロファージやPMNを活性化し宿主防御に寄与していると考えられる。(3)マウスに2日間の絶食直後にPb菌を接種し、さらに1日絶食を継続した場合、(2)の絶食群よりも感染低抗性の低下が顕著であった。この時、(2)の絶食群で見られたようなIFN-γ産生の増加は見られず、また菌接種後の絶食の継続により、感染初期に高濃度のコルチコステロンおよびACTHが血中に存在した。(1)と比べると、菌接種時に絶食による体力消耗がある場合、菌接種後の最初の一日間に絶食が継続したか否かが感染防御能に対して重要な意味を持つことを示唆している。
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