研究課題/領域番号 |
10760083
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
菅原 卓也 愛媛大学, 農学部, 助手 (00263963)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | リゾチーム / モノクローナル抗体 / ハイブリドーマ / ヒト末梢血リンパ球 / 無血清培養 / 抗体産生促進因子 / 機能性食品 / 産生促進 |
研究概要 |
ニワトリ卵白由来リゾチームが、ハイブリドーマやリンパ球の抗体産生を促進することを明らかにしてきた。そこで本研究では、リゾチームがどのようにハイブリドーマやリンパ球の抗体産生を促進するかを明らかとするために、その作用機構の解明を目的として研究を行った。実験にはヒトIgM型モノクローナル抗体を産生するヒト型ハイブリドーマHB4C5細胞を用い、様々なタンパク質合成阻害剤で処理したHB4C5細胞へのリゾチームの抗体産生促進効果を検討した。その結果、アクチノマイシンDで転写活性を抑制されたHB4C5細胞に対してリゾチームは抗体産生促進活性を示し、その作用点が転写段階以降であることが推察された。次に、翻訳阻害剤であるシクロヘキシミド、およびフッ化ナトリウム処理したHB4C5細胞に対する効果を検討したところ、いずれの翻訳阻害剤処理によってもその活性発現が抑制を受けた。さらに、分泌抑制剤であるモネンシン処理したところ、抗体の分泌は抑制されたものの、リゾチームにより細胞内の抗体蓄積量はコントロールに対し有意に増加していた。以上のことから、リゾチームは翻訳段階を促進することによりハイブリドーマやリンパ球の抗体生産性を向上させていることが明らかとなった。 リゾチームをFITCを用いて蛍光標識した後、HB4C5細胞に作用させたところリゾチームは細胞内に取り込まれており、その取り込み量は経時的に増加し、抗体産生促進活性の発現と相関していた。これらのことから、リゾチームは細胞内に取り込まれた後、翻訳段階を促進することが明らかとなった。
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