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漁具に羅網した魚の生残率推定に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10760121
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 水産学一般
研究機関日本大学

研究代表者

小島 隆人  日本大学, 生物資源科学部, 講師 (60205383)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードアシドーシス / 乳酸 / カリウム / 生残率 / カニュレーション / 心電図 / 苦悶 / ニジマス / 血液分析 / グルコース / 生体負担度
研究概要

漁具、特に刺網への羅網を想定した基礎的な実験として、背大動脈からのカニュレーションおよび胸部に心電図導出用電極を装着したニジマスを用いて水槽内においてゴムバンドによる人為的な胴周部締め付けを行った。さらに実海域における延縄操業実験では、釣獲魚の血液分析を行い、漁具の浸漬時間との関係を解析した。ニジマスを用いた胴周部締め付け実験では、死亡個体群の特徴として、締め付け解放後の血中酸素分圧の低下、乳酸の著しい増加とこれに伴うpHの低下およびカリウムの増加が見られ、締め付けにより苦悶した個体はアシドーシスの状態になっていたことが疑われた。さらに死亡群では血中カリウムの増加も認められ、これに起因すると思われる心電図上のQRS波形の間隔伸長も観察された。締め付けにより死亡する個体では、体内の恒常性維持が保たれず、イオンバランスの変調などを引き起こして心臓の収縮力低下を招くなど、ストレス反応よりもさらに重篤な生理状態が進行し、これが直接的な死亡原因となっているものと推測された。これに対して生残個体群では締め付け解放後は乳酸値が平常値に近いレベルまで回復しており、他の血液分析項目および心電図所見も正常であった。このことから、苦悶により乳酸値が一定レベル以上に達してアシドーシスとなった魚は、脱出後も生残の確率が極めて低いものと推測された。
一方、実海域における延縄操業実験では、浸漬時間が長くなった釣獲魚の方が血中乳酸、グルコース、カリウム等が高くなる傾向も見られ、漁具による拘束時間が長いと比較的軽度の負担と思われる鉤引による漁獲でも負担度が大きく、脱出後の生残率は低くなると推測された。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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