研究概要 |
本研究では不整値作業用機械の開発研究として、車輪式車両、クローラ式車両の進入できない場所での走行・作業を想定して歩行型移動ロボットの開発を目的としている。昨年度では,歩行型移動ロボットには6本の脚を有するのが最適であると結論付けた。6脚移動ロボットの歩容,デューティー比,歩行速度,歩幅,歩行周期,脚の自由度,脚の本数,ペイロード等の歩行のパラメータを決定した.本年度では,可変的で局所的なパラメータとして胴体高さ、遊脚振上げ高さ,脚の長さ,質量等を決定し,上記のパラメータを用いて,歩行シミュレーションを行った.シミュレーションでは,脚を構成する股関節部,大腿部,膝関節,下腿部および足の構造を決め,それから大腿部と下腿部の長さを変化させ,各関節に可能な限り大きな負荷がかからないように支持脚相の運動と動力学特性を求めた.その中から最適な大腿部と下腿部の長さを決定した.また遊脚相については,障害物を跨ぎ越えるように大腿部と下腿部の運動を制御するアクチュエータの回転角を変えることによって脚の障害物乗越え能力を確認でき,高さ24cm,幅5cmの障害物を跨ぎ超えることが可能である.その最大跨ぎ超え高さが36cmであった.脚のパラメータを変化させ,支持脚と遊脚のシミュレーションを繰り返した結果,脚を構成する大腿部と下腿部の長さがともに40cmであった場合に歩行運動が円滑に行われ,且つ障害物の跨ぎ越え能力にも優れていることが得られた.最終的に各関節を駆動する必要なアクチュエータの性能を得た.今後,アクチュエータを選定することによって,実際の歩行運動と跨ぎ超え能力を求めることができ,歩行型移動機械の製作に結びたい.
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