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溶存O_2欠乏条件下での根におけるリグニン生成と吸水抑制との関係解析

研究課題

研究課題/領域番号 10760153
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 生物環境
研究機関九州大学

研究代表者

吉田 敏  九州大学, 生物環境調節研究センター, 助手 (90191585)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードリグニン / 根の吸水特性 / 水耕 / 溶存O_2濃度 / O_2欠乏条件 / 組織化学 / 光学顕微鏡 / キュウリ植物 / 溶存O_2濃度制御
研究概要

前年度に開発した水耕装置において溶存O_2濃度制御下で生育させたキュウリ植物の根を材料とし,まず,O_2欠乏条件下において皮膚に生成されるリグニンの型(p-OH-phenyl型、guaiacyl型およびsyringyl型)をフロログルシノル塩酸反応およびモイレ反応に基づいた組織化学的方法により調べた。その結果,木部リグニンおよびO_2欠乏条件で生成した皮層リグニンともグアイアシル核をもつモノリグノールによって構成されていることが示唆された。さらにキュウリ根リグニンの定性分析について検討したが,キュウリ根に含まれるリグニン量が木本植物の組織に比べて著しく少ないことから既存の分析法がキュウリ根には応用し難いことがわかった。また,キュウリ根切片の切断面に陰圧を与えた場合に生じる吸水速度を計測するシステムを確立してO_2欠乏条件下でリグニンが生成・蓄積された根の吸水特性を調べた。その結果,通常の根切片と比べてO_2欠乏条件でリグニンを生成・蓄積した根切片では陰圧による吸水が抑えられたことを示すデータが得られ、O_2欠乏条件下の根におけるリグニンの生成が吸水抑制の一因であることが示唆された。しかし,キュウリ根に陰圧を与えた場合に通常吸水している状態の根とは異なる経路で水が輸送されることが推察され 根の吸水特性を正確に把握することは困難であった。
以上の研究で得られた結果から次の結論が得られた。すなわち,(1)水耕で生育しているキュウリ根においてO_2欠乏条件とした場合に,通常木化しないとされる皮層柔細胞でリグニンが生成されてその細胞壁に蓄積された。(2)皮層リグニンおよび木部リグニンともグアイアシルリグニンであることが示唆され、O_2欠乏条件によって誘導されるリグニン生成経路について木部リグニンとの差異を明らかにすることはできなかった。(3)この蓄積したリグニンにより根の吸水機能が低下して根の吸水が抑えられることが示唆されたがその確証は得られなかった。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 吉田 敏: "O_2欠乏条件下のキュウリ根におけるリグニンの生成"日本生物環境調節学会1999年大会講演要旨. 330-331 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 吉田 敏: "水耕における根系の酸素吸収速度の計測"根の研究. 9・1(印刷中). (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 吉田 敏: "O_2欠乏条件下のキュウリ根におけるリグニンの生成." 生物環境調節. 36・1. 53-55 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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