研究課題/領域番号 |
10770031
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
鷹股 亮 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00264755)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 体温調節 / 浸透圧調節 / 温熱馴化 / パゾプレッシン / アンギオテンシンII / リポポリサッカライド / 汗ナトリウム / バゾプレッシン / 馴化 |
研究概要 |
1)ヒトにおいて、暑熱馴化により体液調節能が向上し、血漿浸透圧上昇による体温調節反応の抑制が減弱する。 温熱脱水(体重の約1.5-2.0%)後、被験者に水分の自由摂取を2時間にわたって行なわせた際の水分バランスをみると、暑熱馴化前では脱水量の約50%しか回復しないが、暑熱馴化(7日間)によりその回復は、約80%になり、暑熱馴化が体液調節機能を亢進させることが明らかになった。しかし、この体液調節機能の向上は、同様の暑熱馴化プログラムを行なった高齢者では認められなかった。従って、体液調節系と体温調節系の相互作用に加齢の影響があることが明らかになった。また、暑熱馴化は汗ナトリウム(Na)濃度を低下させることが知られている。汗Na濃度の低下は、発汗時の血漿浸透圧の上昇を増加させる。一方、我々は血漿浸透圧の上昇が体温上昇時の体温調節反応を抑制することを報告して来た。そこで、暑熱馴化が浸透圧上昇による体温調節機能の抑制作用が減弱させるのではないかという仮説を立て、実験を行った。その結果、浸透圧上昇に対する体温調節反応の抑制(発汗および皮膚血管拡張反応の深部体温閾値の上昇)は、汗Na濃度が低い被験者程小さくかった。従って、馴化している個人程浸透圧上昇による体温調節機能の抑制は小さくなることが明らかになった。 2)エンドトキシン血症時の飲水およびバゾプレッシン分泌に脳内アンギオテンシンIIが関与する エンドトキシン血症時には、体温上昇がおこるが血中のバゾプレッシン濃度の上昇および飲水行動が起こる。血漿浸透圧上昇時のバゾプレッシン分泌および飲水は脳内アンギオテンシンIIをブロックすることによって抑制できるが、LPS投与してエンドトキシン血症にしたラットにみられるバゾプレッシン分泌および飲水も脳内アンギオテンシンIIをブロックすることによって抑制できた。体温調節系と浸透圧調節系の相互作用に脳内アンギオテンシンが関与している可能性が示唆された。
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