研究課題/領域番号 |
10770048
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
岩本 隆宏 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室員 (20300973)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | Na^+ / Ca^<2+>交換体 / アイソフォーム / システイン走査変異 / 分子薬理学 / 分子生物学 |
研究概要 |
Na^+/Ca^<2+>交換体アイソフォームの発現分布と機能制御の解析を行い、以下の成果を得た。分子種特異的な抗体を作成し、NCX1(心臓に豊富に発現)、NCX2及びNCX3(脳、骨格筋に特異的に発現)の発現分布を免疫組織学的に明らかにした。各分子種の細胞発現系を用いた機能解析により、NCX1及びNCX3は種々ホルモンによりCキナーゼを介して活性制御されることを明らかにした。また、NCX1のリン酸化部位を同定し、この活性制御系にNCX1自体のリン酸化は関与しないことを示した。さらに部位特異的変異解析から、この活性化には細胞内ドメインの特殊領域(XIP領域)が関わることを明らかにした。また、1996年に開発したNa^+/Ca^<2+>交換体の特異的な阻害薬KB-R7943をツールに用い、Na^+/Ca^<2+>交換体のイオン輸送機構を解析した。各アイソフォームの薬理学的特性を比較し、輸送Ca^<2+>と競合するNi^<2+>はNCX3よりもNCX1、NCX2を約10倍強力に阻害すること、またKB-R7943はNCX1、NCX2よりもNCX3を約3倍強力に阻害することを見出した。さらに、NCX1とNCX3のキメラ交換体を用いた機能解析から、KB-R7943及びNi^<2+>の作用部位は分子内の繰り返し構造(α領域)に存在することを明らかにした。また、システイン走査変異解析から、NCX1は9回膜貫通ヘリックス型の構造であることを示した。このように、本研究から、Na^+/Ca^<2+>交換体のアイソフォーム特異的な臓器発現、活性制御系、薬理学的特性が明らかになった。また、Na^+/Ca^<2+>交換体の構造と機能に関しても有益な情報を得た。
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