研究課題/領域番号 |
10770051
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岸田 想子 広島大学, 医学部, 教務員 (40274089)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | Ras / エンドサイトーシス / Ral / 低分子量G蛋白質 / 翻訳後修飾 / RalGDS |
研究概要 |
低分子量G蛋白質Rasの標的蛋白質は、蛋白質リン酸化酵素RafやRalGDSをはじめ複数見出されており個々の標的蛋白質がそれぞれ固有の細胞内情報伝達経路を介して細胞機能を制御する。RalGDSは低分子量G蛋白質Ralに対するGDP/GTP交換反応促進蛋白質である。私共は、RalGDSがRafと協同的に遺伝子発現を促進することやRalを活性化することを見出していた。Ralは細胞膜と細胞内小胞に存在するため分泌に関与することが予想されていたが、Ralが制御する細胞機能は不明であった。Ralは下流のRalBP1、POB1にシグナルを伝達し、POB1がEps15やEpsinなどエンドサイトーシスを制御する蛋白質と結合することを明らかにした。そこで本研究では、RalGDSの下流のこれら分子の種々の変異体を培養細胞で発現させて、RalGDSを介するシグナル伝達経路がインスリンやEGF受容体のエンドサイトーシスに関与するか否かを解析した。培養細胞にドミナントアクティブ型Ralやドミナントネガティブ型Ral、膜移行不能型Ralを導入したところ、EGFやインスリン受容体のエンドサイトーシスが抑制された。したがって、これら受容体のエンドサイトーシスには、RalのGTP型とGDP型を変換することおよび翻訳後修飾を受けて細胞膜に局在することが重要であることが明らかになった。RalBP1のC末端側のRalやPOB1と結合する領域を発現させた細胞では、EGFやインスリン受容体のエンドサイトーシスが抑制された。したがって、Ras/RalGDSを介するシグナル伝達経路は、下流のRal/RalBP1/POB1を介してEGFやインスリン受容体のエンドサイトーシスの制御に関与することが明らかとなった。
|