研究課題/領域番号 |
10770101
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
樋上 賀一 長崎大学, 医学部, 講師 (90253640)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 老化 / 肝細胞 / アポトーシス / 食餌制限 / Fas / セラミド / DNaseγ / Fas ligand / DNase γ |
研究概要 |
近年、個体の老化過程におけるアポトーシスの重要性が注目されている。我々は、老化に伴う肝細胞のアポトーシスのメカニズムを検討し、生理状態下での肝細胞のアポトーシスの頻度は、加齢に伴い増加すること、老化に伴い傷害肝細胞および様々なストレスに対し脆弱性の増加した肝細胞が蓄積し、肝細胞死の誘導率が増加すること、しかし寿命延長効果のある食餌制限は、この加齢変化を抑制することを明らかにした。さらに、このような加齢変化は、Fas抗原発現の亢進を伴うこと、食餌制限は、この発現の亢進を抑制することを明らかにした。また最近、肝細胞以外でも、老齢個体由来の神経細胞、心筋細胞、末梢Tリンパ球において、加齢に伴う細胞死の増加やストレスに対する脆弱性の増加が報告されており、このような変化に、Fas抗原の関与が示唆され、老化過程に観察されるアポトーシスにおけるFas抗原の重要性が、明らかになってきた。 本研究では、Fas抗原に依存するセラミドの活性化とDNasegの発現およびその活性の加齢変化と食餌制限の影響を検討し、老化に伴うアポトーシスのFas抗原以降のシグナル伝達機構を明らかにしようと試みた。現在までに、DNasegのmRNA量が加齢に伴い増加するが、食餌制限により大きな影響は受けないこと、その活性は加齢に伴い増加するが、食餌制限により、抑制されることを明らかにしたさらに、現在DNaseg陽性細胞率の加齢変化と食餌制限の影響を、その特異抗体を用い、免疫組織化学法により検討を始めている。 しかしながら、セラミドの活性の加齢変化はまだ検討されていない。今までの結果から、Fas抗原と同様、DNasegも、老化に伴う肝細胞のアポトーシス重要な役割を担っていると思われる。
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