研究課題/領域番号 |
10770109
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
中村 ふくみ 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (90295204)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | trefoil peptides / 杯細胞粘液 / Nippostrongylus brasiliensis / 異所性発現 |
研究概要 |
Nippostrongylus brasiliensis(Nb)初感染ラットでは、その排虫の時期に一致してSP、pS2という本来小腸杯細胞には発現していないトレフォイルペプチド(TFF)が発現するという事を昨年示した。そこで今年度は初感染を経験した感作ラットやヌードラットなど様々な免疫状態にラット小腸にNb成虫を外科的に移入し、小腸杯細胞数の変動、粘液糖鎖の変化とTFF発現の相関を調べた。その結果、Nbが排除される時には必ず杯細胞数の増加、粘液糖鎖の変化に同調してTFFの異所性発現が見られることがNorthern blottingで確認された。(また、TFFの発現調節は粘膜局所で行われることが示唆された。) 現在、定量的PCRの条件を検討中である。 最近、トレフォイルペプチドノックアウトマウス(KOマウス)が開発されたことから、私達の研究課題をマウスモデルで行うことが可能かどうか調べた。その結果、マウスでもNbを排除する時期に一致して杯細胞数が増加し、杯細胞粘液にα-fucose、β-GalNac、sialic acidといった糖鎖が発現してくることが明らかとなった。今後KOマウスを用いた研究やマウス、ラットモデルの両者を比較することでTFFが杯細胞粘液の糖鎖変化のレギュレーションを担うという新しい側面、生理機能が明らかになる可能性があると考えられる。 なおこれまでの本研究の成果は、単行本『粘膜免疫-腸は免疫の指令塔』(清野宏ら編、中山書店)の1章(『粘液学への序章』-腸管奇生虫感染モデルから見えてきたもの)にまとめ、近々刊行される予定である。
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