研究課題/領域番号 |
10770121
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 (1999) 琉球大学 (1998) |
研究代表者 |
本馬 恭子 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (90253955)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | コレラ菌 / 定着因子 / フコース感受性赤血球凝集因子 / 外膜蛋白 |
研究概要 |
コレラ菌のウサギ小腸上皮定着因子のひとつとして報告されている L-fucose sensitive hemmagglutinin (FSHA)を、transposon(Tn5)を使った変異体で消失させ赤血球凝集能や定着能の消失を碓認した。 transposon(Tn5)を定法によりV.cholerae86B3株の染色体DNA上にinsertさせFSHA消失変異体21株を得た。Gardel and Mekalanosにより、motBの変異により運動性を消失したコレラ菌は同時にFSHA消失し培養細胞への定着能もコントロールと比較し低下していることが報告されている。今回スクリーニングで得られたFSHA消失変異株21株中8株では運動性の低下はみられなかった。このことはこの8株ではmotB以外の部位にTn5挿入を起こしており、運動性とは独立したFSHAへ関連遺伝子上の変異を示唆しているが、さらにこれらの変異株をWestem blotting法で碓認したところTCP piliを発現しているのは1株のみ(NHA6株)であった。定着への関与が指摘されているTCP pili(野性株86B3株でも発現)の影響を考慮し、生化学性状もFSHA以外は野性株と同一のNHA6株についてその定着能を、MASK法でコントロール86B3株の定着率と比較した。その結果両者間に有意差は認められなかった。一方運動性とFSHAをともに消失した変異株(MHA5株)ではコントロールと比較すると定着能が低下しており(MASK法)、定着因子はFSHAそのものよりもFSHA発現調節因子に関連している可能性が示唆された。現在NHA6株のTn5挿入部位を同定中であり、またFSHAの直接の機能を検討するために86B3株の染色体遺伝子ライブラリーをコスミドベクターを使って作製しFSHAそのものをクローニング中である。今後このNHA6株の解析と遺伝子ライブラリーのスクリーニング両面からFSHAと定着因子との関連を確認する予定でおる。
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